「あずきちゃん」第13話　床屋カルテル

「あず勇」の原作色の強い第12話までと違い、ここからはアニメオリジナル展開が中心となっていき、この第13話も完全オリジナルです。明日までに散髪しないと怒られるというケンちゃんですが、月曜日で床屋はどこも休み。仕方なくケンちゃんは、西野美容室に行くことに…。お店に定休日があればそれで一つ話ができてしまうあたり、目の付け所が違う！と思います。
ちなみに、なぜ床屋さんは月曜日が休みかというと、理容師の組合で過当競争が起きないように、休日や最低料金に関して取り決めているようです。地域によっては定休日が月曜でないところもあるそうで、ケンちゃんの言うように「日本中の散髪屋が定休日」というわけではないそうです。うちの近所もだいたい火曜定休の店が多いような。それから調べていて驚いたのは「床屋」が放送禁止用語？だそうで、たしかにこの話でも「散髪屋」と言っています。

原作ではかおるちゃんの家が美容室であるという設定は無かった（たぶん）ので、アニメオリジナルの設定だと思います。ケンちゃんが家に来てうれしいのが、ママにもモロバレのかおるちゃんですが、そういうところを、説明セリフに頼らず演出で見せているのがすばらしいですね。

まことやジダマのジャマも入り、さらにエサで籠絡されていくケンちゃん。この頃はまだ自分が真綿で絞められ始めていることに気がついていない様子です。

そして、隠しごとが話をややこしくしていくのは、雪室さんの通常営業です。しかし今回、ケンを問い詰めに行き、話をややこしくした一因のジダマは、「何のために会いにいったの？」と聞かれて「それを言われると弱いんだよね」と照れ気味に答えています。脚本家が、キャラクターの行動に必然性が無かったことをお詫びしているようで、面白いです。雪室さんはネットではよく「カオス脚本家」と評されていますが、ストーリー構成や人物心理に関しては、むしろ驚くほど論理的に書く方だと感じています。そんなわけで、自分で書いたことに自らツッコミを入れてしまったのではないでしょうか。最後は、しっかり、あずきと勇之助の関係も一歩進めます。

あまり見ないモブキャラです。