「あずきちゃん」第89話 アダルト向け作品

この話は「あずきちゃんベスト10話」があったらぜひ入れたい話なのに、地味な「あずきちゃん」の中でも目立たない話で、あまり話題に上らないのは残念です。やはり、大人にも子供の時代があり、子供もいずれ大人になっていくんだというテーマは、子供が見てもなかなか実感できないし、大人になって見直してみて、しみじみ理解できるのだと思います。
この話の感想は昔他のところでも書いてしまったので、今回はアダルトタッチで攻めてみたいと思います。

今回の話の中心にいるのがあずきの父で、同窓会の開催で普段は触れることのない昔の人間関係が浮かび上がってきます。そして、あずきたちが親の子供時代に思いをはせることになるわけです。


千住で父が同窓会に出席している間、だいずはおじいちゃんと銭湯に、そしてあずきは気になる「ミッチ」のことを調べていて父の「交換日記」を発見してしまうのでした。悪いお姉ちゃんですね。

しかし、同窓会で親の過去が気になったのはあずきだけではなく、ミッチの息子、定男もだったのです。二人の興味の謎含みの交錯が、Bパート途中から斜め上に飛んでいき、結局全てがジダマ話になってしまうのでした。20世紀には「斜め上」という用法はなかったのですが、これは本当に斜め上なのに、しかしちゃんと親子関係の話がベースになっていて、しっかりテーマを深化させているところがすごいところです。

途中に挟まれる、こんなシーンもよかったりするんですよね。何回見ても名作です!