東芝の「サザエさん」最終回にこめられたメッセージ?

本日の「サザエさん」は東芝がスポンサーとなる最終回でした。そんな日のAパート「いその家の屋台」(作品No.7740)が、ラーメンの屋台を引退して屋台を売り渡す話で、何だかスポンサーの看板を下ろしてしまう隠喩にも見えてしまいました。

脚本の雪室さんはエッセイ本「テクマクマヤコン」で、川崎に暮らしていたこともあるのでしょうが「中学を卒業したぼくは、東芝の入社試験を受けた」「もし、あのとき、ぼくが合格していたら、定年を迎え、安穏な年金生活を過ごしていたかもしれない」「不合格のおかげで、まだ細々と働けるのだから世の中、捨てたものではない」と東芝との不思議な縁を書かれています。

花沢家の夫婦ゲンカから始まる展開が雪室さんっぽいですが、屋台の譲り先についての話がどうしても東芝のスポンサーやその後釜の話に重なってしまいます。
花子「だれか引き取ってくれないでしょうか」
マスオ「今どきリアカーの屋台は売れないんじゃないかな」
サザエ「あんな重い屋台をだれが引くのよ」
マスオ「近くで見ると意外に大きいですね」
花沢「今希望者が殺到してましてね」
丸川「親父は30年以上この屋台を引いて…」
冒頭の原作ネタはこの時期にこのような話になることを期待して脚本家に呈示したわけではないと思いますし、作品番号にも不自然さはない(あらかじめ用意しておいたり、急遽差し込まれた様子が無い)ところを見ても、本当にこれがスポンサー交代を意識した話だったかどうかはわかりませんが、どうしても引っかかってしまいます。「いその家の屋台」というサブタイトルも、長年支えてくれた「屋台骨」という意味を感じるのは深読み過ぎるでしょうか。
ちなみに、セル画での最終回だった回についても雪室さんが書いており、同じように閉店する床屋さんの話になっています。しかしこちらは、偶然だったのではないかと思います。
サザエさん作品No.7008「まわれネジリン棒」 セル画最終回 - あずき残雪

演出の人は「この世界の片隅に」を見たでしょう。(笑)

そして、何となく、東芝は再生して今後もがんばってほしいというメッセージがこめられているように感じてしまいました。
自分も最初に買ったβビデオデッキが東芝でしたし、この録画のHDDレコーダも東芝を使っていますので、本当に東芝には復活してほしいという気持ちです。