「サザエさん」作品番号7706「父さんメダマ焼きの友」

2018年1月14日放送の「サザエさん」作品番号7706「父さんメダマ焼きの友」が、2007年5月27日に放送された作品番号5875「父さん発明の母」、いわゆる「全自動タマゴ割り機」に似ていると評判です。


脚本はもちろん、雪室俊一さんです。ちなみに2007年5月27日はトリプル雪室脚本の回でした。
前回の予告編で謎の機械が出てきたときは「もしや」と思いましたが、雪室さんは自作・他作を問わず過去作を引用するようなオマージュ作品は全くと言っていいほど例が無く、同じような作品が出てくるとは予想していませんでした。(昔話や名作物語のオマージュは「キテレツ大百科」など多少ありますが)



しかし、冒頭の波平の帰宅から、マスオ、ノリスケの入ってくる話の流れといい、前半は明らかに前作を意識して書いていると思います。セルフオマージュと言ってよいかと思います。
作品は途中から違う方向に走っていき、最後は全く異なる地点に着地しました。さすが、タマゴねたで数々の名作を作ってきた雪室さんです。タマゴとニワトリに関する作品はこちらのページに以前まとめました。
「あずきちゃん」第55話 ニワトリとタマゴの歴史 - あずき残雪
だが待っていただきたい。この作品は「全自動タマゴ割り機」のオマージュだけではないのです。


あずきちゃん」第16話「おいしい!?しょうゆ味のエビフライ」をご存じでしょうか。あずきが初めて勇之助の家にお呼ばれするときに、エビフライにソースではなくしょうゆをかけるという食習慣の違いを体験することで、勇之助との距離が縮まったことを実感するという、印象に残る初期のエピソードです。「アニメスタイル」のイベントでもスペシャルメニューとして「しょうゆ味のエビフライ(400円)」が出るくらい、その筋では有名な話です。
脚本はもちろん雪室さんで、これも意識して書いたのは間違いないと思います。1995年の作品なので、20年越しのセルフオマージュということになりますが、個人的にはこちらのほうがうれしかったです。エビフライではなく、とんかつに変わってはいましたが。

それにしても、どのようにしてこの原作からこの話が生まれてくるのか、タマゴ以上に不思議ではあります。