「あずきちゃん」第12話 ジェラシーの定義

あずきちゃん」第12話

この話は何となく原作回と思っていましたが、原作第12話と比較してみると、ドッジボールや「ジェラシー」の話が原作から取っている反面、アニメオリジナルの部分がかなり多いことに気づかされました。

原作第12話では、勇之助とヨーコちゃんの関係が気になるあずきが「モヤモヤ」な気持ちにさいなまれ、その解決策として「交換日記」を始めることになります。しかし、交換日記の話は第15話で独立させているので、アニメ第12話では原作1話分よりさらに原作の分量が少なくなっています。
アニメで追加されたエピソードは、あずきの顔が「壊れた」話、積極的に出たかおるちゃんが泣いて、その後ジダマのおばあちゃんに弟子入りして立ち直る話、勇之助とトモちゃんが本屋で会っていた話、タッちゃんの写真作戦などがあります。小さなエピソードを入れるともっとあるんですけど、こんなにたくさんエピソードを入れないと雪室脚本のテンポは成立しないのかと、あらためて驚きました。


どうでもいいのですが、かおるちゃんの背後の、セリフもない給食のおばさんまでちゃんと動いているのが、「あずきちゃん」のぜいたくなところ。

ジェラシー

おそらく秋元さんによると思われる「ジェラシー」の定義、「ひとりじめしたいって思うこと」というあずき母の説明に10年近くあまり何とも思っていませんでしたが、あらためて考えてみると、どちらかというと「自分の持っていないものを他人が持っているのをやっかむ感情」なのではないかと思い始めました。調べてみると

術語としては、英語のjealousyは嫉妬と訳され、envyは妬みと訳される。この2つは一般に同義として用いられるが心理学用語としては区別される。嫉妬が愛着している誰か(例えば恋人)、ないしは保有している何かが他者に奪われた結果、ないしは奪われることへのおそれであるのに対し、妬みは自らが欲望するにも関わらず所有しないものを他者が所有していることに対する腹立たしさである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AB%89%E5%A6%AC

ということで、やはり二義的なんですね。英語の辞書を見てもjealousyとenvyは、一般語としてはほぼ同義のようです。あずき母の「ひとりじめしたいって思うこと」というセリフは、小学生への恋愛感情の説明としては、すごく優秀なのではないかと。作詞家としての秋元さんはいつもこんなことを考えているんでしょうね。
最近自分がジェラシーを感じたのは、「Natureに論文が2本掲載された」というニュースでしょうか(笑)。これは後者の定義が相当かと。