「あずきちゃん」第39話 忘れ物に注意!

あずきちゃん」1期の最終回です。もしこれでシリーズが終わりであれば、第38、39話は原作2巻の終わりのエピソードを使って書かれてはずですが、この話で「さようなら」するのは交換日記だけとなり、もちろん全てオリジナルエピソードです。
2期が決まって急に書き直した感じには見えないので、2期継続はかなり前から決まっていたのではないかと推理しています。本当の最終話となる3期のラスト2話には3期の内容も反映されており、また原作からかなり離れた内容にもなっており、1期で未使用になっていた最終話があってそれを流用したという可能性は低いと思います。

理想科学プリントゴッコはご存じでしょうか。昔は子供の年賀状印刷の花形でした。今どうなっているのかと思って調べてみると、2008年に本体販売終了になっていました。パソコンのプリンタに押されてしまったんでしょうね。
ニュースリリース|RISO
ともかく、「なかみよし」などで図案を探していたあずきですが、交換日記の勇之助の絵を使おうと思いつきます。

この絵はエンディングにも使われていたので、おそらく平田敏夫さんの手になるものでしょうね…。コンビニや職場でコピーを取るたびに、この話のことを思い出してしまいます。コピー機には「忘れ物に注意!」と書かれていますが、だいたい大きな字で書いてあることほど読まれないものです。みんな、重要なことほど小さな字で書いてあることを体感しているのでしょう(笑)。
ノートを置き忘れるときも、単に置き忘れるのではなく、コンビニに入ってきたまことに見つかりそうになり慌てるというエピソードでダメ押ししています。このあたりも脚本の細やかなところです。


プリントゴッコを借りに来たかおるちゃんの家で忘れものに気がつきますが、驚いたかおるちゃんや、階段を駆け下りるあずきのアニメーションはコマ送りで見ると楽しいです。走るあずきの背景がパンになっていますが、こんな適当な背景でもやはり背景パンは1コマ撮りになるんですね。人物2コマ背景1コマです。

コンビニにいたまことが隠し持っていたかと思いきや、中身は準エロ本でした。

さらに、交換日記は不良中学生が持って行ったことがわかり、あずきは途方に暮れます。

不良中学生を探しに、ついに中学校に乗り込むとは、ジダマらしいというか何というか。中学校のどうでもいいスポーツ部活のカットが、ちゃんと2コマ〜3コマで動いているのが、直々の絵コンテ・演出の小島監督らしいというか何というか。

そして不良中学生を発見! 原作コミックには、あずきと勇之助が仲良くなるきっかけを作ってくれたのは「ケンちゃんの(スカートめくりの)おかげかも」と書いてありますが、不良中学生にも感謝した方がいいですね。


しかし、ここまでの交換日記紛失・奪還の長い話は、本当の主題の単なる前振りだったのです! 終盤の展開は、雪の降り方も含めて見事というしかありません。そして、来る2期の二人の関係が、ドキドキな1期から少し変わることの宣言でもあったのかと思います。