「あずきちゃん」第18話 アナログ通信

第18話からしばらくアニメオリジナル作品が続きます。第18〜19話はあずきとだいずが仙台に行く「仙台編」で、あずきと勇之助が離ればなれになります。1995年当時は郵便や固定電話といった、いつもつながるとは限らない通信手段しかありませんでした。しかし、そのことで不安は増幅しますが、その分通信できたときの喜びも大きくなるのです。

雪室さんの命名癖発動で、だいずが羊に「ヨーコ」と名付けます。「羊だけに命名…」どこかで聞いたジョークです…。白熱電球の消滅で今ではほとんど姿を消したと思われる「親子電球」をめぐる、あずきとだいずの会話もかわいいものでした。

第1話から毎週見ていて初めてわかる、新アイキャッチ登場の衝撃。そして、Bパート冒頭からあずきがいきなりオーバーオール、通称「仙台服」になっていて、ダブルショックなのでした。野外作業着ということなんでしょうね。また、帽子をかぶるためと思いますが、髪形も原作中学生編から取ってきたと思われる三つ編みになっています。なんとなくジダマ属性になっているのですが、似た印象は全くありません。
ちなみに仙台の伯母さんの家は仙台駅が最寄り駅という描写ですが、昔調査してきた結果(↓)では、背景作画は蔵王付近であるようです。
http://www.asahi-net.or.jp/~zs2t-ikhr/midori/yukari/index.htm

ケンちゃんがジャマに入ったり、ヨーコちゃんに関する話も出てきたりと、話は転々としますが、ごちゃごちゃした印象にはならないのが不思議なところです。

いつも決まった時間にくる郵便が、いろいろな事情で違った時間に来て、配達のバイクがちょうど追いつくというのもすばらしいところで、郵便というアナログな通信の持つ魅力を存分に生かした脚本になっています。若い頃電報配達のアルバイトをしていた(↓エッセイ)という、雪室さんらしい作品です。
http://www.style.fm/log/05_column/yukimuro08.html
最近は、携帯やスマホで、「いつでもつながる」ことが当たり前になってきています。しかし、なかなかつながらないからこそ、たまにつながったときの喜びが大きくプラスに感じられるのではないでしょうか。逆にいつでもつながっていると、希につながらないことが大きなマイナスになってしまいます。理系な人には電子と正孔の関係(プラスマイナスが逆ですが)を思い浮かべていただければ…。携帯端末の人間に与える影響として、結構真面目に気になっていることだったりします。