「あずきちゃん」第37話 障害物競走

あれ、マフラーは少し前にプレゼントしたんじゃなかったっけ?と思って第33話を見直してみたところ、マフラーをプレゼントしたのはかおるちゃんで、ケンちゃんの誕生日が名目でした。あずきはクリスマスに向けてマフラーを編んでいる途中で、まだプレゼントはしていなく、そのときのマフラーが今回につながっているようです。
第37話は、原作18話の「たったひとつのプレゼントの巻」が基になっていますが、「手編みは嫌われる」話は第33話で使用済み、「編み物教室」もアニメでは省略されています。するとお互いにプレゼントをするというネタしか残らないのですが、アニメではそこに多数の障害物を配置することで、プレゼントまでの道のりをデコボコにしています。

第33話から引き継がれた製作中のマフラーは、小林さんが連れてきたネコにずたずたにされてしまいます。これはアニメのオリジナル展開で、だいずとお母さんのセリフが面白いところです。アフレコ台本では「御二階の小林さん」でしたが、野山家も二階のため「お隣の小林さん」になりました。

気を取り直したあずきは、毛糸を買いに行きます。手芸用品店には例の眼鏡っ娘店員さんが。かおるちゃんの「晴れた五月の空の色みたい」は小学生の言わなそうなセリフですが、これは原作通りです。
かおるちゃんはアニメでは既にマフラーをプレゼント済みなので、今度は手袋を編むということになっていますが、原作ではここで買った毛糸で「番外編」のマフラーを編んだのかもしれません。

新しい編み方に挑戦?ということでお母さんに編み方を習います。今回もちゃんと編み目が動いていますが、第33話よりは少しいい加減な感じです。


しかし、ここでヨーコちゃんの領海侵犯事案が発生。さらに勇之助に傷害疑惑も。ここもアニメオリジナルです。ジダマのおばあちゃんの名前「児玉ハル」はここが初出かもしれません。本放送時(1995年)は、まだ病院で直接薬を出していた所が多かったような気がします。

ヨーコちゃんのことで、あずきは勇之助に不信感を抱き、逆上がりも途中で止まってしまう状態に。

しかし、何とか短めのマフラーを編み上げます。

予定外に、クリスマスより前にプレゼント交換することになるのも、アニメのオリジナル展開です。このことで、ギリギリまで編み物をしていて待ち合わせに遅れるという、原作のエピソードに説得力が付け加わります。原作では「隣に教会がある三角公園」で待ち合わせることになっていますが、アニメはいつものタコ公園でした。その代わりに、やや遠くから賛美歌が聞こえてきます。
原作の勇之助は、ヨーコちゃんとは関係のないところでブローチを作り、ケガもしていません。

ジダマのおばあちゃんの姿は、エピローグイラストにしか出てきません。「あずきちゃんデジタル画像集」に入っていた未使用のイラストは、この話のための絵だったのではないでしょうか。「2枚書いたので好きな方を使って」ということなのではないかと思うのですが。