「あずきちゃん」第36話 大地震はNG

あずき、かおるちゃん、トモちゃんといろいろ恋が進展してきたのに、男嫌いのジダマには浮いた話はもちろんありません。脚本の雪室さんは

ジダマは、ぼくの作品でいうと『魔法使いサリー』のヨッちゃんや、『サザエさん』の花沢さんに通じるキャラクターである。彼女たちに共通しているのは、「女の子」を売り物にしないで、胸を張って堂々と生きていることだ。
WEBアニメスタイル COLUMN

と書いている通り、ジダマはお気に入りのキャラクターだったはずで、ジダマにも恋の一つも体験させてあげたかったに違いありません。しかし、同世代の男の子を好きになるようなタイプでないのも確かです。
この話で、ジダマの好きになった人は誰かについて、あずきとかおるちゃんは後半途中まで勘違いして進みます。1回目に見るときは、これが誤解だと知らないで見ます。そして、2回目は誤解だとわかって見ます。どちらの見方をしても、セリフがおかしくないよう、この話はものすごく精密に書かれています。そのへんも気にしながら見てもらえると、脚本のすごさがわかってもらえると思います。

いつもの通り、恋に浮かれている友人たちについて行けないジダマなのでしたが…


児玉家に空き巣が入ってから、ジダマの様子が少し変です。

かおるちゃんは、これを恋だと直感しますが、一目惚れした相手は空き巣の犯人ではないかと推測します。


お互いに明言を避けた微妙な会話により、犯人に惚れた説は確信に変わります。ここらへんのかみ合わない会話が面白いところです。AT-Xはまた上下にずれたコマが発生してます。
しかしその後、空き巣常習犯は逮捕されます。ここでAパート終了。アイキャッチはもちろんジダマ。

Bパートでいきなり、ジダマが警察にカレに会いに行くと言い出します。和服のジダマのパンアップはつなぎ合わせ作業をせざるを得ません!

警察署で、ようやくジダマの惚れたのは刑事だったことがわかりますが、小学生と付き合ったりしたら、それこそ犯罪です。ジダマのおばあちゃんも12歳の年の差結婚だったことで、ジダマとしては問題ないとの判断のようですが…。ジダマのアップ作画に、珍しく影が塗り分けられています。たぶん、夕景と劇場版以外では極めてレアです。


どうやら、刑事が「みどりちゃん」と名前で呼んでくれたのがズキンと来てしまったようです。「男の人にみどりって呼ばれるのは初めて」って、お父さんはどうした…。

さて、アフレコ台本と比較してみます。第36話の表紙は、話に合わせて緑色です!

ジダマが食欲がないというときのケンちゃんの「とんでもないことが起きるぞ!」は元の脚本では「大地震の前ぶれか〜?」でした。さすがに1月に阪神淡路大震災の起こった1995年に、(たぶんそれ以来ずっと)これはNGなんでしょう。

最後、ジダマが招き猫の貯金箱を持って言う「ニャー」は松本梨香さんのアドリブでした。無言でもよかったのかもしれませんが、このアドリブはすばらしいと思います。
え、あずき?