「あずきちゃん」第59話 都電で大忘れ物大会

あずきの誕生日が8月30日というのは知らない人はいないと思いますが、ちょうど夏休みの終わりということで、1期(第22話)では夏休みの塾通いとからめた話になっていました。2期の今回は、夏休みで誕生日を忘れられてしまいやすいということの派生なのか、大忘れ物大会になります。

いくら自宅とはいえ、服をもうちょっと何とかした方が…。
あずきの家で3人が宿題の追い込みにかかっているとき、最初に誕生日の話がちょっと出てくるのですが、すぐにだいずの帰宅でそれどころではなくなってしまいます。
おじいちゃんのところに泊まり込みで宿題を片付けてきただいずが、家に帰ると、宿題をどこかに忘れてきてしまったことに気がつきます。あずきとだいずは、宿題を探す旅に出ます。
あずきの家と千住のおじいちゃんの家を結ぶのが都電荒川線なのですが、この話では沿線のサンシャイン60、大塚、王子、荒川車庫、荒川遊園、南千住などが見事に結ばれて、ストーリーを構成しています。昔聖地巡礼に行ったときの写真がこちらにありますが、作画の再現性も高くすばらしいです。
‚ä‚©‚è‚Ì’n|“s“drìü
当初はだいずの宿題だけだった忘れ物ですが、都電に乗っている間に、まことの忘れ物、おじいちゃんの忘れ物も出てきます。あずきが忘れ物にかかりっきりになってしまい、あずきの家に置いてきたかおるちゃんとジダマもすっかり忘れられてしまいました。

連発する忘れ物と合わせて、場所も都電を行ったり来たりして、これは本当に技巧的な脚本と言えるでしょう。そして、いちばん大事なのは、この忘れ物探偵の話が面白いことで、あずき自身と視聴者も、あずきの誕生日のことをすっかり忘れてしまっていることです。

だいずに腹を立てているだけのあずきに対して、勇之助は的確に筋道を立てて忘れ物を追跡していき、かっこいいです。今回は本当に勇之助くんのおかげでした。


準主役のだいずも、いつもと違ったいろいろな表情を見ることができました。

結局最後は荒川遊園の観覧車で「あず勇タイム」なのですが、内容を知らずに見ていると、本当に誕生日のことをすっかり忘れてしまったところに突然ハッピーエンドが訪れて、驚きも倍増なのでした。数年ぶりに見たおかげで記憶がうろ覚えになっていて、久々にこの感動を味わってしまいました。この短いラストシーンを盛り上げるために、延々と都電を乗り回っていたのですね。