「あずきちゃん」第70話 祖父斃れる?

おじいちゃんが倒れるという禁断のネタで、看病のためにあずきが転校になるかもしれないという話です。転校ネタは何回か出てきますが、おじいちゃんの心配よりも、勇之助に会えなくなることの方が重大であるという、ある意味ひどい描写は、あずきの真実を突いている気がします。

それでも、おじいちゃんの心配はだいずやジダマに振り分け、あずきの方は転校の心配という書き方は、不快に思われないギリギリのラインを渡る、非常に技巧的な脚本だと感じました。普通はこのネタでは書けないと思います。でも、自分のことを思い返してみても、子供の頃の、離れて暮らしている祖父母の死というのは、たしかにあまり現実的に感じるものではなかったかもしれません。

「心の傷に付ける薬」だそうで(笑)、対比させる意図は無いと思いますが、祖父は生死にかかわる薬を飲んでる描写の後にこれですよ。若いっていいですな。

おじいちゃんの家の最寄駅は都電荒川線東尾久三丁目であることまでは判明していますが、今回、野山家までは「電車を3つ乗り換え」「約1時間」であることがわかります。大塚からJR線、池袋から西武新宿線と乗り換えるのか、あるいは新宿駅から小田急、京王、JR中央線あたりに乗り換えるのかのどれかではないでしょうか。どちらにしても、小学生にとってはかなりきつい通学になりそうです。

作画もどちらの家にいるかを建物の屋根で表現したり、

今回、夜間や早朝の作画が多く影の演出も面白かったり、なかなかよかったです。(キノコ人間ではありません)

家族が聞いている中で電話をする、この気まずい雰囲気は、今の子供にはわからないかもしれないですね。

【余談】
今日、東武デパート池袋店で「世界名作劇場展」を見てきましたが、雪室さんが脚本を担当した「フランダースの犬」「ピーターパンの冒険」の作画展示もあり、他にも脚本は書いていないけどリライトした小説版の書籍も展示されていました。絵の展示なので、脚本はほとんど関係ない感じでしたが。それにしても、なかむらたかしさんの設定画(原本)ほか、点数はあまり多くありませんが絵がすごいです。原本のコピーや、縮小したDVDの付録では、これがわからないんですよね。
「THE 世界名作劇場展」を池袋・東武百貨店で開催! | ニュース | NIPPON ANIMATION