「あずきちゃん」第17話 片渕須直登場

第17話は前半の「野暮用」からハンバーガーショップ、プール教室までがアニメオリジナルで、プール教室の終わった着替えからタコ公園の決闘、勝利したあずきまでが原作14話となっています。ハンバーガーをおごりまくる小学生女子が現実にいるのかどうかは別として、アニメオリジナル部分と原作部分はほとんど区別ができないくらい、うまく融合しています。作画のすばらしさもあって、第17話は原作ネタの話では最高の1話と言えるのではないかと思います。

この第17話は、今は主にアニメ監督として仕事をされている片渕さんが絵コンテ・演出を担当した最初の回で、この後も何度となく登場することになるので注目していきましょう。自分にとっても「あずきちゃん」で片渕さんを知ることができたのは幸運なことでした。ちなみに、この1期EDの「シャボン玉マフラー二人羽織」セル画は今私の所有物です(自慢!)。

まず、このカットは、シリーズを通しても屈指の名場面と言っていいと思います。原作はこんな風でなくて、もうちょっとテンション低いんですよね。

そして、この好きなところを書くカットと消すカット(笑)もすばらしいです。

あとはこういった足元のカットとか

水の動きの表現とか、着替えとか(「名犬ラッシー」でのサンディとプリシラの服の交換とか思い出します)

虫や花を取り入れたカットとか、逆光のカットとか(俯瞰のカメラワークが多いですね)

こういった広角レンズで歪んだようなカットとか、あとは静止画では表しにくい動きもいろいろあるのですが、「名犬ラッシー」「ブラック・ラグーン」「アリーテ姫」「マイマイ新子と千年の魔法」を見てから、ついでに仮現運動の研究会まで聞いて、戻ってきて見直す「あずきちゃん」は感慨深いものがあります。地味な作品ながらも、最高の演出をしてくれたのではないかと思います。