「あずきちゃん」第34話 小学生がカップルでいて何か文句でもあるんですか

ついに1期のクライマックスである、第34〜35話に突入してしまいました。
小学生カップルがキスをしてしまうという話を、エロ作品以外でやって、不快に思われなくするというのは結構難しい仕事であると想像します。そのため、原作(2巻16話)では、TVドラマのキスシーンを家族で見るという準備を置いたうえで、不良中学生に乱暴されるという非日常的な契機を作っています。アニメでは、さらに周到に、エピソードを追加しています。

アバンタイトルは、2話連続で、前話と関係ない内容になっていました。交換日記が青色から緑色になって、二人の関係が進んでいることを示しています。

原作では席替えで隣になったことがきっかけで冷やかされますが、席替えは第23話で流用してしまっているため、相合い傘のオリジナルエピソードに変更されています。第33話に続き、雨と傘が重要アイテムになってしまいました。「♪わざと〜」の合唱もオリジナルです。


ケンちゃんとかおるちゃんが不良中学生に冷やかされに行く、というのが原作にはなかったエピソードで、正直この話のいちばん面白いところでもあります。ケンちゃんと初デートとなり、状況を自覚しないでうれしがるかおるちゃんと、必死で「小学生がカップルでいて何か文句でもあるんですか」と突っ張るケンちゃんがすごく微笑ましいのです。このセリフ、今ならアニメかラノベの長いタイトルになっていてもおかしくありません。
しかし、急造カップルには、あの「周りの人を不快にさせる親密感」がありません。不良中学生にも適当にあしらわれてしまいます。

そして、TVドラマのシーンです。原作での番組タイトル「秘密の花園」は「輝く愛の彼方に」に変更されています。台本によると「TVのツトム君」が津久井さん、「TVの女教師」が松本さんとのことです。ここでようやく前半終了ですが、前半はオリジナル部分がかなり多いです。

Bパートに入っていきなりあずきの夢になりますが、この残像の残るアニメーションは、コマ送りで見ると1コマごと露出を変えながら多重露光して撮影したものと思われます。アナログとしては、かなり手間をかけた技法なのではないでしょうか。(2画面合成のできる撮影台があるのかもしれませんが)


あとは最近、こんな作画が挟まっているのも気になってしようがありません。

ようやく、左から中学生A、B、Cの登場です。台本と比較してA、B、Cを特定しました。中学生Aの白目と黒目がところどころ間違って塗られていて、ただでさえ変な中学生Aがさらに気持ち悪く見えます。BGMもレアBGMで、おそらくこのシーン限定のBGMが使われています。原作とは違い、結局多胡先生が助けてくれたのですが、学校と名前をチェックしたというメモ用紙には「大根 コロッケ 卵」と書かれていました。きっと裏に学校と名前が書かれているのでしょう。(笑)

前話の西岸良平に引き続き、今回はレレレのおじさんのモノマネでしょうか?
原作ではキスシーンで終わっていますが、アニメでは「事後」のことも追加されています。この「全部黒目」は珍しい表現ですが、これを見ると、本来は「まぶた」の下は白目なんだろう思いますね。
結局、物語の本筋には何も触れない感想になってしまったのでした。(笑)