サザエさんセル作画に異変?

先週の「サザエさん」を見てどうも気になることがありました。
例えばこの画像ですが、顔の肌色の髪に近いところが少し陰になっているような気がしたのです。

見ていたときはどうせ目の錯覚だろうと思ったのですが、ふと思い出したのでキャプチャしてコントラストを上げてみました。

すると、やはり肌色が一様でないのは確かなようです。
いろいろなカットを見ていくと、この現象は黒髪のキャラクターがアップの時に起こりやすく、たとえ黒髪でも引いて小さくなっているときや、波平のように元々面積が狭い(失礼)ときには起こりにくいようです。茶髪やイガグリ頭にも起きていないようです。どうも面積が大きい黒塗りがあると、周辺に影響を及ぼしているようで、よく見ると顔の側だけでなく、背景側も影響を受けているのがわかります。
レコーダーの問題ではないかとも思い、最初の画像(Panasonicのレコーダー)だけでなく東芝のレコーダーで録画したものも確認してみましたが、やはり陰があるようです。

コントラストを上げてみると、確かに同じ傾向があります。

過去の録画も確認してみると、まず、この現象はデジタル作画回には起きていません。セル作画の回も5月まではあまり目立たない(あるいは無い)ですが、6月9日の回から顕著になってきたように見えます。今回が2回目でした。
推測ですが、HD放送になって以来、黒塗りつぶし部分はセル画に付着したホコリがかなり目立ってしまっていたので、黒塗りつぶし部分を自動検出して明度を落とすような画像処理をかけ始めたのではないでしょうか。その効果が強すぎて、周辺まで副作用を及ぼしているように思われます。
最後のセルアニメだけあって、他には無い問題でいろいろ悩まされているようです。ただこの「陰」は気になり出すと結構イヤなので、むしろホコリが見えていた方がセルアニメらしくていいのではないかとも思ったりもします。とりあえずは、もうちょっとエフェクトを弱くしてほしいです。
ホコリの付きにくい静電気防止材料を使ったセルというのも、今さら開発する企業もなさそうですし、技術的には透明度や塗料の乗りに影響がありそうです。撮影のホコリ取りでは今でもブラシを使っていそうな印象がありますが、静電気を取り除く除電器とか使うといいのではないでしょうか…。最後の手段は、セル作画から撮影までを、ホコリの無いクリーンルーム内で行うことでしょうか。クリーンスーツを着たスタッフが、クリーンルーム内でセル画に色を塗っているというのもシュールな風景になりそうですが…。