「あずきちゃん」第9話 KTK終身会員

あずきちゃん」第9話

この話の半分は原作第10話が元になっていますが、残り半分はアニメのオリジナルです。

原作に基づいている部分の一つ目は、ヨーコちゃんの髪がいつもと違う!というところ。原作は「ストレートパーマをかけた」という設定なのですが、アニメは元々ストレートヘアなので、「トリートメントをした」ことになっています。最近のアニメは髪のハイライトが元から入っている場合が多いですが、「あずきちゃん」でこれをやると変に見えてしまいます。ハイライトの付け方が不規則なので、何だか汚れているように見えるような(笑)。
もう一つの原作準拠は、学校の帰り道に勇之助があずきを誘って「タコ公園」に行くところで、ここはほぼ原作通りとなっています。
そして、なんとなく原作かと思っていた「KTK」ですが、何とアニメオリジナルであることに気がつき、驚いてしまいました。考えてみれば、原作ではかおるちゃんやトモちゃんのことはほとんど取り上げられていないし、あずきはすぐにラブラブになってしまうので、KTKの必要性なんてないわけです。ここでKTKを結成したのは、1期39話のシリーズの中に、かおるちゃんやトモちゃんの話もありますよ、という宣言であったように思います。

しかし、「KTK」から「TK: 高柳ケン」となって、ケンちゃんの誤解とあずきの謀略によって、かおるちゃんがデートするという話の流れが、雪室さんのすさまじい力業です。
また、KTKの憲章が条文化されるというのも、ちょっとかっこいい感じがします。「あしたのジョー」で「あしたのために その1」の脚本を書いたのも実は雪室さんなのですが、こういうアニメの中であえて文書を出すという効果を感じているのだと思います。画像には出てきませんが、第3条に退会規定が盛り込まれているのも本格的で、「総会」なんていうセリフが出てくるあたりも、「日本放送作家協会」あたりの実際の定款を見ながら考えたのではないかというのは、うがった見方かも…。

最近、映像に1コマ変なものが入っていても、気がつくようになってしまいました。上の画像はAT-X放送の第9話の中の1コマですが、このコマだけフレームの上下がずれています。DVD-BOX版の第9話を見てみると、この異常はありませんでした。ということは、AT-XはDVD版のデジタルデータを元にしていないということでしょうか。こういうずれが起こるのは、フィルムからのテレシネ時のような気もしますが、今テレシネやり直すならHDにするだろうし、何でこんなことになるのか、正直よくわかりません。